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Joyaウォーキングシューズのオールソール交換修理事例|加水分解したポリウレタンソールを本革+TOPYソールで再生【福井県 T様】

福井県にお住まいのT様より、大切にご愛用されているJoya(ジョヤ)のウォーキングシューズの修理をご依頼いただきました。

今回お預かりしたシューズは、履き心地の良さで定評のあるJoyaならではのクッション性を備えたモデルでしたが、その一方で**ポリウレタン素材特有の経年劣化「加水分解」**が進行しており、ソール部分が大きく損傷している状態でした。

この記事では、
・Joyaウォーキングシューズの加水分解の特徴
・オールソール交換の工程
・本革とEVAを用いた再構築技術
・TOPYソールによる仕上げ

について、専門的な視点から詳しくご紹介いたします。


Joyaウォーキングシューズに多い「加水分解」とは?

まず今回の修理の原因となった「加水分解」についてご説明します。

Joyaのウォーキングシューズに採用されているソールには、衝撃吸収性に優れたポリウレタン素材が使用されていることが多く、この素材は柔らかく快適な履き心地を生み出す反面、空気中の水分と化学反応を起こして劣化する性質があります。

これが「加水分解」と呼ばれる現象です。

加水分解が進行すると、以下のような症状が現れます。

  • ソールがボロボロと崩れる
  • 指で触るとベタつく
  • 突然ソールが割れる、剥がれる
  • 歩行中に崩壊する危険性がある

T様のシューズもまさにこの状態で、ミッドソール部分が完全に崩壊し始めており、通常の部分修理では対応できないレベルでした。

そのため今回はオールソール交換修理という形で対応させていただきました。


修理のポイント:単なる交換ではなく「再構築」

今回の修理で重要なのは、「既製ソールへの単純交換」ではなく、元の形状を再現するための“再構築”作業である点です。

Joyaのソールは独特の曲線構造とクッション性を持っているため、市販の既製ソールをそのまま取り付けることはできません。

そのため、以下の工程で一から作り上げていきます。


工程① 劣化したソールの完全除去

まず最初に行うのは、加水分解したポリウレタンの除去です。

劣化した素材を残したままでは、新しく取り付けるソールの接着強度が著しく低下してしまうため、崩壊したミッドソールをすべて丁寧に取り除きます。

この作業は見た目以上に繊細で、アッパー(甲革)や中底を傷つけないよう慎重に進める必要があります。


工程② 側面を本革で補強・美観修復

ポリウレタンが崩壊したことで、靴の側面にはどうしても「えぐれ」や「欠損」が生じます。

そこで今回は、側面に本革を縫い付けることで構造補強と見た目の修復を同時に行いました。

この工程には以下のメリットがあります。

  • 外観を自然に整える
  • 強度を向上させる
  • ソール接合部分の安定性を高める

単に埋めるのではなく、革を縫い付けることで長期的な耐久性を確保しています。


工程③ EVAスポンジによるミッドソール再形成

次に行うのが、ミッドソールの再構築です。

今回はEVA(エチレン酢酸ビニル)スポンジを使用し、層状に積み重ねながら厚みを作っていきます。

EVA素材は軽量でクッション性に優れており、加工もしやすいため、今回のような再構築には最適です。

積み上げた後は、グラインダーを使用して削り込みを行い、

  • 元のJoya特有の曲線
  • ローリング形状(前後の丸み)
  • 歩行時の体重移動

を意識しながら丁寧に成形していきます。

この工程は仕上がりの履き心地を大きく左右するため、経験と感覚が問われる非常に重要な作業です。


工程④ TOPYクロコ柄ソールで仕上げ

最終仕上げとして、アウトソールにはTOPY社製のクロコ柄ソールを使用しました。

このソールの特徴は以下の通りです。

  • 高い耐摩耗性
  • 優れたグリップ力
  • 高級感のあるクロコダイル調デザイン

実用性とデザイン性を兼ね備えており、今回の修理にも非常にマッチした仕上がりとなりました。

接着後は圧着・仕上げ・エッジ処理を行い、全体のバランスを整えて完成です。


修理後の仕上がりと履き心地

完成したシューズは、見た目にも自然で違和感のない仕上がりとなり、加水分解によって失われていた機能性も大きく回復しました。

特に、

  • 安定した歩行性能
  • 適度なクッション性
  • 長時間歩行時の疲労軽減

といった、ウォーキングシューズとしての本来の役割をしっかり取り戻しています。


Joyaの加水分解は修理できるのか?

「加水分解してしまった靴はもう履けないのでは?」とご相談をいただくことがよくあります。

確かに、メーカーとしては修理を前提としていない構造のものも多く、一般的には買い替えを勧められるケースがほとんどです。

しかし、今回のように

  • 本革による補強
  • EVAによる再構築
  • 高耐久ソールへの交換

といった工程を組み合わせることで、再び実用可能な状態へ蘇らせることは十分可能です。


まとめ|ウォーキングシューズの寿命を延ばすために

今回の福井県T様の修理事例のように、加水分解によって履けなくなった靴でも、適切な修理を行えば再び活躍させることができます。

特にJoyaのような履き心地に優れたシューズは、愛用されている方も多く、「同じ履き心地を取り戻したい」というご要望も非常に多いです。

当店では、単なる修理ではなく元の機能性をできる限り再現することを重視し、一足一足丁寧に対応しております。


Joyaウォーキングシューズ修理のご相談はお気軽に

・ソールがボロボロになってきた
・歩くと違和感がある
・加水分解してしまった

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

状態をしっかり確認した上で、最適な修理方法をご提案いたします。

大切な一足を、もう一度長く履けるように。
職人の技術でしっかりと蘇らせます。

2026.04.11