皆さま、こんにちは。 岡山県倉敷市玉島にある「靴修理 いずみ靴店」です。
日頃より多くのお客様から、お気に入りの靴を何とかして長く履き続けたいという熱いご要望をいただいております。 靴は単なるファッションアイテムではなく、毎日の生活を支える大切なパートナーですから、その想いをしっかりと受け止め、最適な修理方法をご提案させていただいております。
本日は、その中から特にご相談の多い「New Balance(ニューバランス)」のスニーカーに発生する、樹脂パーツの加水分解による劣化・破損に対する修理事例を、詳しくご紹介いたします。
同じような症状でお悩みの方や、修理をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

今回の修理のご依頼内容
今回ご依頼いただきましたのは、東京都にお住まいのH様からです。 長年愛用されているNew Balanceのスニーカーについて、かかとの外側に取り付けられている樹脂製の「ヒールカップ」が割れてしまったとのことでした。
お気に入りの一足だからこそ、何とか修理してこれからも履き続けたいという強いご希望をいただき、弊店にご相談をいただきました。
ヒールカップとは?その役割と劣化のメカニズム
まず、今回修理を行った「ヒールカップ」について簡単にご説明いたします。 ヒールカップとは、スニーカーのかかと部分の外側に装着されている、硬質の樹脂(プラスチック)製パーツのことを指します。 このパーツは、かかと部分の形状を美しく保つとともに、歩行時の衝撃から足を保護し、靴全体の安定性を高めるという、非常に重要な役割を担っています。
しかしながら、この樹脂製パーツには「加水分解」という経年劣化現象が発生することがあります。 加水分解とは、樹脂が空気中の湿気や水分を長期間にわたって吸収し、化学反応を起こすことで、分子構造が徐々に破壊されていく現象です。 その結果、樹脂は脆くなり、ひび割れや欠け、最悪の場合は粉々に崩れてしまうこともあります。 特に、高温多湿な環境や、長期間の保管、また経年による素材自体の寿命などが、この劣化を加速させる要因となります。
今回のH様のスニーカーも、まさにこの加水分解によって樹脂が脆くなり、ヒールカップが割れてしまった状態でした。 このような症状は、決して珍しいものではなく、特に10年以上前のモデルや、長年酷使されたスニーカーに多く見られます。
樹脂パーツの劣化が進行すると、単純な接着補修では強度を保つことが難しく、また見た目にも大きな影響を及ぼします。
そのため、弊店ではより根本的かつ耐久性に優れた修理方法をご提案させていただいております。

今回の修理工程の詳細
それでは、今回実施した修理工程を、専門職人の視点から詳しくご説明いたします。 今回は、単に割れた箇所を接着するのではなく、劣化した樹脂パーツを完全に取り除き、より耐久性に優れた「本革」で代用品を製作し、交換するという方法を採用しました。
工程①:ソール(靴底)の取り外し
まず最初に、修理箇所へのアクセスを確保するため、スニーカーのソール(靴底)を丁寧に取り外します。 この作業は、無理な力を加えるとアッパー(甲革部分)を傷めてしまう可能性があるため、ヒーターでソールを適温に温めて接着剤を柔らかくし、専用の工具を用いて慎重に剥がしていきます。 職人の経験と繊細な技術が求められる、非常に重要な工程です。
工程②:劣化した樹脂製ヒールカップの除去

ソールを取り外した後、かかと部分に残っている、加水分解で劣化し割れてしまった樹脂製のヒールカップを完全に除去します。
この際、周囲のアッパーやライニング(内張り)を傷つけないよう、細心の注意を払いながら作業を進めます。
劣化した樹脂は脆くなっているため、破片が内部に残らないよう、徹底的に取り除くことが、後の修理の仕上がりを左右します。
工程③:本革を加工してヒールカップを製作
次に、除去した樹脂パーツの形状を型取りし、耐久性と美観を兼ね備えた「本革」を使用して、新しいヒールカップを一から製作します。
使用する革は、スニーカーのアッパーとの色味や質感のバランスを考慮し、経年変化(エイジング)も楽しめる高品質なものを厳選しています。
職人が手作業で革をカットし、コバ(断面)の処理や、縫製のための下処理など、細部にわたる丁寧な加工を行います。
この本革への交換により、樹脂特有の加水分解という経年劣化のリスクを根本的に排除することが可能となります。
工程④:本革製ヒールカップの縫い付け固定

製作した本革製のヒールカップを、スニーカーのアッパーに専用のミシンを使用して、しっかりと縫い付け固定します。
単に接着するのではなく、縫い付けを行うことで、強度が格段に向上し、長期間の使用にも耐えうる耐久性を実現します。
縫い目は、強度を保ちつつも、見た目にも美しく仕上がるよう、細かなピッチ(間隔)で丁寧に縫製していきます。
この縫製技術こそが、靴修理職人の真骨頂であり、仕上がりの品質を大きく左右する重要なポイントです。
工程⑤:ソールの再接着

本革製ヒールカップの取り付けが完了したら、先ほど取り外したソールを、専用の強力な接着剤を使用して再接着します。
この際、接着剤が均一に行き渡るよう注意深く塗布し、圧着機を使用してしっかりと圧着することで、確実な接着強度を確保します。
ソールの浮きやズレが生じないよう、細心の注意を払って作業を行います。
工程⑥:全体の最終確認と修理完了

最後に、全体の仕上がりを入念に確認します。
縫い目の状態、接着部分の強度、ヒールカップの取り付け位置や角度、そして履き心地など、プロの目線で隅々までチェックし、問題がないことを確認して、修理は完了となります。
お客様に安心してお受け取りいただけるよう、品質管理には一切の妥協を許しません。
樹脂パーツを本革に交換するメリット
今回のように、劣化した樹脂製パーツを本革に交換することには、以下のような大きなメリットがあります。
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加水分解による劣化を根本的に防止:樹脂特有の経年劣化現象である加水分解のリスクから解放され、半永久的に美しい状態を保つことが可能です。
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耐久性の大幅な向上:高品質な本革は、樹脂と比較しても非常に高い耐久性を誇り、長年の使用にもしっかりと耐えることができます。
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経年変化(エイジング)を楽しめる:本革は使い込むほどに味わいが増し、独特の風合いや色艶が生まれます。 世界に一足だけの、自分だけのスニーカーへと育てていく楽しみが生まれます。
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修理後の美観:職人の手作業による丁寧な縫製と、アッパーとの調和を考慮した革選びにより、修理後も違和感なく、むしろ新品時とは異なる新たな魅力を備えた仕上がりとなります。
このような症状でお困りではありませんか?
今回ご紹介したNew Balanceのスニーカーに限らず、多くのブランドシューズで以下のような症状が発生することがあります。
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ヒールカップ(かかと部分の樹脂パーツ)が割れた、または欠けた
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かかとの樹脂パーツがボロボロに崩れてきた
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加水分解によりパーツが劣化し、粉を吹いたような状態になっている
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ソールとアッパーの接着部分が剥がれてきた
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お気に入りのスニーカーを修理して、これからも履き続けたい
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同じ靴をもう一度履きたいけれど、修理できるか不安だ
このような症状やご要望でお困りの方は、ぜひ一度弊店にご相談ください。
靴の状態や劣化の進行度合いによって、最適な修理方法は異なります。
場合によっては、今回ご紹介した本革への交換修理が最適な場合もあれば、部分的な補修や、別のパーツ交換が適している場合もございます。
まずはお気軽に、現状の状態をお知らせください。
「これは修理できる?」という簡単なご相談だけでも大丈夫です。
専門職人が、お客様の大切な一足をできるだけ長く、そして快適に履いていただけるよう、状態に合わせた最適な修理方法をご提案させていただきます。
靴修理のことなら、ぜひ「いずみ靴店」へ
弊店「靴修理 いずみ靴店」は、岡山県倉敷市玉島に店舗を構える、靴修理の専門店です。
長年の経験と確かな技術を持つ職人が、お客様の大切な靴を、心を込めて修理いたします。
スニーカーから革靴、ブーツ、パンプスまで、あらゆる靴の修理に対応しております。
また、全国からの修理のご相談も承っておりますので、遠方にお住まいの方も、どうぞお気軽にご連絡ください。
お気に入りの一足を、もう一度、そしてこれからも長く履き続けるために。 靴のことでお困りでしたら、どんなことでもまずはご相談ください。
職人一同、心よりお待ちしております。
📍岡山県倉敷市玉島
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📩 全国から修理のご相談を承っています。
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