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「歩いたらソールがボロボロに…」New Balance 1300 の加水分解、あきらめないでください

久しぶりに棚から出したニューバランス1300。いざ履こうとしたら、ソールがボロボロと崩れてしまっていた——そんな経験をされた方は少なくないはずです。

今回は、千葉県にお住まいのT様からご依頼いただいた New Balance 1300 のオールソール交換・加水分解修理 の事例をご紹介します。長年大切に保管されていた一足でしたが、ソール内部のポリウレタン(PU)素材が経年劣化により加水分解を起こし、歩行が困難な状態になっていました。

「もう履けないかもしれない」と半ばあきらめていたそうですが、状態を確認した結果、修理・再生が可能と判断。アッパー(靴の上部)のコンションが比較的良好だったため、トータルで3つの施工を行い、再び安心して履けるコンディションに仕上げることができました。


そもそも「加水分解」とは?New Balance 1300 が特に注意すべき理由

加水分解(かすいぶんかい) とは、素材が空気中の水分と化学反応を起こして分解・劣化していにポリウレタン(PU)素材のミッドソールやアウトソールに起こりやすく、スニーカー愛好家にとっては「スニーカーの大敵」として知られています。

New Balance 1300 は1980年代に誕生したモデルで、長年にわたってコアなファンに支持されてきた名作です。しかし当時のモデルや復刻版の一部には、クッション性を高めるためにPU素材が使用されており、これが年月とともに加水分解を起こすケースが多く報告されています。

加水分解が起こりやすい条件

  • 高温多湿な環境での保管(日本の夏は特に注意)
  • 長期間履かずに放置した場合
  • 密閉された収納箱や押し入れでの保管
  • 製造から 10年以上経過 しているモデル

厄介なのは、外見上は問題なく見えても、内部ではすでに劣化が進んでいることがある点です。久しぶりに履こうとして初めて気づく、というケースがまさに今回のT様の状況でした。


今回の修理内容:3つの施工でトータルリペア

T様の New Balance 1300 は、加水分解によるソールの崩壊だけでなく、細部にも経年劣化のダメージが見られました。「せっかく修理するなら、これからも長く安心して履けるようにしたい」というご要望にお応えし、以下の3点をトータルで施工しました。


① オールソール交換修理

加ールは修では根本的な決にな回は ソールを全て取り外し、新しいソール材に交換するオールソール交換 を実施しました。

使用するソール材は、耐久性と屈曲性のバランスに優れた素材を選定。New Balance 1300 のシルエットや履き心地をできる限り再現しながら、加水分解が起きにくい素材で仕上げています。

オールソール交換は技術的にも手間のかかる作業です。既存のソールを剥がす際にアッパーを傷めないよう細心の注意を払いながら、丁寧に作業を進めます。接着面の処理が甘いとすぐに剥がれてしまうため、下地処理から接着剤の選定・塗布・圧着まで、一工程ずつ確実に仕上げることが重要です。


② ヒール外側の樹脂製ヒールカップ交換

ヒール部分の外側についている 樹脂製のヒールカップ も年劣化により割れや変形が生かかとのホールド感を支える重要なパーツです。破損したまま履き続けると、歩行時の安定性が損なわれるだけでなく、かかとへの負担が増すことにもつながります。

今回は既存のヒールカップを取り外し、新しいパーツに交換。素材の硬度や形状を元のパーツに近いものを選 Balance 1300 来の履き心地を再現しています。


③ 履き口(バックステー)の補修

靴の履き口後ろ側についている バックステー(かかとのライニング上部を補強するテープ状のパーツ)が剥がれかけている状態でした。バックステーはかかとの擦れを防ぎ、靴の形状を保つ役割を担っています。

剥がれたままにしておくと、履き口の内側が傷んで修が難しくなるため、今回は適接着処理と補強を行いました。目立たない部分ですが、長く快適に履くためには欠かせない補修です。


加水分解したスニーカーは全て修理できるの?

よくいただくご質問ですが、加水分解の修理は状態によって可否が変わります。ソールの劣化だけでなく、アッパー(靴の甲・側面・かかと部分)の状態が修理の判断に大きく影響します。

修理できる可能性が高いケース

  • アッパーの素材(スエード・レザー・メッシュなど)が比較的良好な状態
  • ソールの接着部分のダメージがア素材に及んでいない
  • 靴全体の形状がしっかり保たれている

修理が難しいケース

  • アッパー素材自体が加水分解・腐食を起こしている
  • 素材が脆くなりすぎて、作業中に破損するリスクが高い
  • ソールの崩壊がアッパーの芯材にまで影響している

「自分のスニーカーは修理できるのか?」と気になる方は、まずは写真を送っていただくだけでも構いません。現物を確認した上で、正直にご案内いたします。


修理にかかる費用と期間の目安

修理内容や状態によって異なりますが、参考までに目安をお伝えします。

施工内容 費用目安
オールソール交換  ¥19800
ヒールカップ交換  ¥4400
バックステー補修  ¥4400

仕上がり期間: 受付から約3〜4週間(込み具合により前後します)

送料や詳細な見積もりについては、お問い合わせ時にご案内しています。


T様からのご感想

「もう履けないと当に嬉しかったです。修理前よりむしろしっかりした感じがして、また毎日履けそうです。大切にします。」

このような言葉をいただけることが、靴修理という仕事の醍醐味です。思い入れのある一足が再び活躍できるようになる瞬間は、職人として何度経験しても嬉しいものです。


New Balance 1300 の修理を検討されている方へ

ニューバランス1300は、その希少性と履き心地から、今でも多くのスニーカーファンに愛されているモデルです。加水分解という避けられない経年劣化に直面しても、状態が良ければ必ず修理の余地があります。

「捨てるのはもったいない」「でも直るかどうかわからない」

そう思ったら、まず一度ご相談ください。写真を送っていただければ、無料で状態確認と修理可否のご案内をしています。お気に入りの一足を、もう一度履ける靴へ。


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2026.06.14