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フットジョイ アイコン|加水分解したゴルフシューズのオールソール交換修理【事例紹介】

目次

  • はじめに:愛知県T様からのご依頼
  • フットジョイ アイコと「加水分解」とは何か
  • 今亀裂とメスネジ脱落
  • 修理内容の詳細
    • 本革ソールへの交換
    • 座繰り加工によるメスネジの埋め込み固定
    • マッケイ製法による縫製
    • 積み上げヒールによる高さ・バランス調整
    • メスネジ組み込みかかとゴムの取り付け
  • 修理前・修理後の比較
  • なぜ買い替えより修理なのか
  • このような症状のゴルフシューズもご
  • 頼の流れ
  • まとめ

はじめに:愛知県T様からのご依頼

今回ご紹介するのは、愛知県にお住まいのT様からご依頼いただいた「フットジョイ アイコン」のオールソール交換修理の事例です。

長年にわたってゴルフで愛用されてきた一足でしたが、ソールの加水分解による亀裂の発生と、ソフトスパイク固定用のメスネジ脱落という複合的なダメージを抱えていました。

「お気に入りのシューズだから、どうしても直したい」というご要望にお応えし、今後も長くご使用いただけるよう、メンテナンス性を重視した【ソフトスパイク交換式】仕様でのオールソール交換を実施しました。


フットジョイ アイコンとは

フットジョイ(FootJoy)は、アメリカ発祥のゴルフシューズ専門ブランドとして世界中のゴルファーから絶大な支持を受けています。その中でも「アイコン(ICON)」は、本革アッパーを採用したフラッグシップモデルとして長く愛されてきたラインです。

上質なカレザーを使用した高級感のある外観と、精緻なウェルト縫製による堅牢な作りが特徴で、ゴルフシューズとしてのパフォーマンスだけでなく、クラシックなドレスシューズとしての品格も兼ね備えています。

その分、製造から年数が経過した個体は今回のような「加水分解」のリスクを品質なシューズであればあるほど、修理してでも使い続ける価値があります。


ゴルフシューズの「加水分解」とは何か

靴のソールに使われるポリウレタン(PU)やEVAなどの素材は、空気中の水分と長期間反応し続けることで徐々に劣化します。この現象が「加水分解」です。

加水分解が進むと以下のような症状が現れます。かいひび割れが入る

  • 歩いているとソールがパリパリと割れてくる
  • 接着面が剥がれ、ソールが丸ごと脱落する
  • スパイクのネジ穴周辺が崩れる

特に注意が必要なのは、保管しているだけでも進行するという点です。「ほとんど履いていないのに壊れた」というケースが靴修理の現場では非常に多く見られます。これは加水分解が使用頻度ではなく、時間と湿度によって引き起こされるためです。

また、フットジョイ アイコンのような高品質なゴルフシューズのソールには、スパイクを装着するためのメスネジ(スパイクホール)が埋め込まれています。加水分解によってソール素材が脆化すると、このネジ部分にもダメージが及び、ネジが抜け落ちてしまうことがあります。


今回の症状:ソール亀裂とメスネジ脱落

T様のフットジョイ アイコンは、以下の2つの症状が同時に発生していました。

① ソールの加水分解による亀裂
ソール全体にわたって亀裂が生じており、一部ソールが剥離始めている状態でした。このまま使用を続けると、コース上でソールが脱落するリスクがあります。

② ソフトスパイク固定用メスネジの脱落
スパイクを固定するためのメスネジが複数箇所で脱落していました。ネジがなければスパイクの固定ができないため、グリップ力を維持することができません。安全面でも早急な対が必要ならの症状は一き」と判断されがちですが、アッパー(靴の上部)の革は非常に良好な状態でした。本革の良質なアッパーはソールが劣化しても、しっかりと使用できる状態が保たれていることが多く、今回のケースも修理によって完全に復活させることが可能でした。


修理内容の詳細

今回の修理は以下の5工程で構成されています。

① 本革ソールへの交換

加水分解したオリジナルのソールを完全に取り除き、新たに本革ソールへ交換しました。

本革ソールを選択した理由は2つあります。ひとつは、フットジョイ アイコンの持つ高級感・クラシックな風格にっとも自然に馴染む素うひとつは、本革は加水分解が起きないため、今後も長期間にわたって安心して使用・保管できることです。

ラバーソールも選択肢としてありますが、ドレス感の強いアイコンモデルには本革ソールがよりふさわしい仕上がりになります。

② 座繰り加工によるメスネジの埋め込み固定

本革ソールにソフトスパイクを取り付けられるよう、座繰り加工を施してメスネジを埋め込み固定しました。

座繰り加工とは、ネジを取り付けるための穴を精密に掘り込み、ネジが脱落しないよう確実に固定する技術です。単純に穴を開けてネジを差し込むだけでは、使用中に脱落するリスクがあります。専用の工具を使って適切な深さと径で加工することで、長期使用に耐える固定を実現します。

③ マッケイ製法による縫いつけ

ソールの取り付けには**マッケイ製法用しました。

マッケイ製法とは、アッパーの内側からソールにかけて直接ミシンで縫い合わせる製法で、靴作りの世界では古くから用いられてきた確かな技術です。

接着剤のみの固定と比較して縫製による固定は格段に耐久性が高く、仮に一部の糸が切れてもソール全体が剥がれるリスクが低い点が特長です。また、縫い目がソールに沿って整然と並ぶことで、仕上がりの美しさにも貢献します。

④ 積み上げヒールによる高さ・バランス調整

ヒール部分には積み上げヒールを使用し、高さとバランスを適切に調整しました。

積み上げヒールとは、複数の薄い革を積み重ねてヒールを形成する製法です。高さの微調整が可能で、左右のバランスを均一に保つことができます。また、一部が摩耗した際に積み上げた部分のみを交換できるため、将来のメンテナンスコストを抑えられるメリットもあります。

⑤ メスネジ組み込みかかとゴムの取り付け

ヒール部分には、メスネジを組み込んだかかとゴムを取り付けました。

かかとゴムはゴルフスイング時の地面との接触が多く、摩耗しやすい箇所です。ゴム素材を使用することで耐摩耗性を確保しつつ、スパイクの装着も可能な仕様にしました。これにより、グリップ力の高いソフトスパイクを全体に装着できる状態が整いました。


修理前・修理後の比較

項目 修理前 修理後
ソール状態 亀裂・加水分解あり 本革ソールで完全復元
メスネジ 脱落・欠損 座繰り加工で確実固定
スパイク装着 不可 全箇所装着可能
耐久性 劣化が進行中 長用可能な状態に回復
見た目 ソールに亀裂・剥離 高級感を維持した仕上がり

なぜ買い替えより修理なのか

フットジョイ アイコンの新品価格は、現行モデルで数万円以上します。アッパーの革がまだ良好な状態であれば、今回のような修理費用の方が買い替えコストを大幅に下回ることが多いです。

また、長年使い込んだシューズは足の形に馴染んでいます。新しいシューズに替えると、再び足慣らしが必要になりますレ感覚に影響を与えた継続使用できることは大きなメリットです。

さらに、環境面においても修理・再利用はサステナブルな選択です。まだ使える素材を廃棄せず、長く大切に使い続けることは、ものづくりの観点からも意義のある行為といえます。


このような症状のゴルフシューズもご相談ください

今回のフットジョイ アイコンのような症状以外にも、以下のような状態のゴルフシューズに対応しています。

  • ソールが割れた・ボロボロになった
  • 加水分解でソールがべたつく・崩れる
  • スパイクのネジが抜けてスパイクを固定できない
  • ソールが丸ごと剥がれてしまった
  • かかとのゴムがすり減った・脱落した
  • ウェルトが縫い直しが必要

ブランドを問わず、フットジョイ・タイトリスト・アディダス・ナイキ・エチュードなど、様々なゴルフシューズの修理実績があります。まずはお気軽にご相談ください。


ご依頼の流れ

① お問い合わせ
LINEまたはメールにて、症状の写真をお送りください。修理の可否と概算見積もりをお伝えします。

**② 郵送対応しております。店舗への持ち込みも歓迎します。

③ 修理内容の確認・お見積もり
現物確認後、正式なお見積もりをご案内します。ご了承いただいてから作業を開始します。

④ 修理・返送
丁寧に修理を行い、完成後にご返送します。


まとめ

今回のフットジョイ アイコンのオールソール交換修理では、加水分解によって機能を失ったソールを本革ソールへ刷新し、落したメスネジを座実に再固定しました。マッケイ製法による縫製と積み上げヒールの採用により、見た目の高級感を損なうことなく、プレーで使える実用性を完全に取り戻すことができました。

「もう使えないかも」と諦めかけていた一足が、職人の技術によって蘇るそれが靴修理の醍醐味です。

大切なゴルフシューズのソールが割れた、加水分解した、スパイクのネジが抜けた、そんなときはぜひ一度ご相談ください。買い替えを決める前に、修理という選択肢を検討してみてください。

2026.06.10