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プラダスポーツ スニーカー 加水分解 オールソール交換|修理事例レポート

目次

  • はじめに:加水分解は「修理できない」は誤解です
  • 今回のご依頼内容
  • 加水分解とは?なぜスニーカーのソールは崩れるのか
  • 修理の全工程を詳しく解説
    • 加水分解跡の処理・整形
    • ② 側補Aミ付け(マッケイ製法)
    • ④ Vibram2668 ウトソール接着・仕上げ
  • 修理前後の変化:見た目・履き心地・耐久性
  • プラダスポーツの靴修理で大切にしていること
  • よくある質問
  • 修理のご依頼・ご相談はお気軽に

はじめに:加水分解は「修理できない」は誤解です

「ソールがボロボロになってしまったけど、もう捨てるしかないのかな…」

お気に入りのスニーカーのソールが崩れてしまい、そう感じている方は多いと思います。特にプラダスポーツのようなハイブランドのスニーカーは、修理せず手放すのはあまりにも惜しい。

結論からお伝えします。加水分解によるソールの崩れは、状態によって修理・再生できるケースがほとんどです。

今回は神奈川県にお住まいのT様からご依頼いただいた、プラダスポーツ スニーカーのオールソール交換事例を詳しくご紹介します。同じようなお悩みをお持ちの方に、少しでも参考になれば幸いです。


今回のご依頼内容

お客様: 神奈川県 T様
靴の種類: プラダスポーツ スニーカー
症状: 経年劣化によるソール全体の加水分解・崩落容:** オールソール交換(水分解跡処理・補修・EVAミッドソール・Vibram2668)様の、しばらく保管していたところソールがもろくなり、歩いただけで崩れてしまったとのことでした。見た目はアッパー(甲革)がまだきれいな状態だったため、「なんとか直せないか」とご相談いただきました。


加水分解とは?なぜスニーカーのソールは崩れるのか

修理の解説に入る前に、加水分解について簡単にお伝えします。

スニーカーのソールには、軽量性やクッション性を出すためにポリウレタン(PU)素材が使われることが多くは、空気中の水分と化学反徐々に劣化していく性質を持っています。これが「加水分解」です。

加水分解の厄介なところは、履いていなくても進むということ。むしろ下駄箱や袋の中で保管していると、湿気がこもりやすく劣化が加速するケースもあります。

症状の進行は以下のような段階をたどります。

  1. ソールの表面がベタつき始める
  2. 歩くたびにポロポロと崩れ落ちる
  3. ソール全体がひ割れ・分離する
  4. アッパーとソールが完全に剥がれる

プラダスポーツに限らず、ナイキ・アディダス・ニューバランスなど多くのブランドのスニーカーで起こりうる症状です。高価な靴ほど「捨てられない」という気持ちも強いため、早めのご相談をおすすめしています。


修理の全工程を詳しく解説

① 加水分解跡の処理・整形

まず最初に、崩れてしまったソールの残骸を丁寧に除去する作業から始めます。

加水分解したソールは粘着質になっていることが多く、アッパーに食い込んでいる場合もあります。無理に剥がすとアッパーを傷つけるため、専用の溶剤を使いながら少しずつ丁寧に除去していきます。

このベースの処理が雑だと、新しいソールの接着が甘くなり、耐久性が大幅に落ちてしまいます。見えない部分の丁寧さが、修理品質を決めると私は考えています。

② 側面への革縫製補修

加水分解の影響で、ソール側面のコバ(縁)周辺が大きくえぐれ形してしまっていることがあります。今回のT様のスニーカーも、側面に劣化跡が残っていました。

ここに本革を縫い付けることで、形状を復元しながら新しいミッドソールを固定するための土台を作ります。革を縫製することでただ接着するよりも格段に強度が増し、長な耐久性につながります。

この工程はすべての修理店が対応できるわけではありません。革の縫製技術と、靴の構造への理解が必要になるためです。

③ EVAミッドソールの取り付け(マッケイ製法)

側面の補修が完了したら、ミッドソールを取り付けます。今回使用したのはEVAスポンジ素材のミッドソールです。

EVAは軽量でクッション性が高く、足への負担を軽減してくれる素材です。ランニングシューズやスポーツスニーカーに広く使われており、プラダスポーツのオリジナルのコンセプトにも合致しています。

取り付け方法はマッケイ製法を採用。ミッドソールをアッパーに直接縫い付けるこの方法は、接着剤だけの固定よりも剥がれにくく、修理後の耐久性がソールと靴本体をしっかりと一体化させることで、長期間の使用に耐えられる仕上がりになります。

④ Vibram2668 アウトソール接着・仕上げ

最後に、アウトソールとしてVibram2668を取り付けて完成です。

Vibram(ビブラム)はイタリア発祥の世界的なソールブランドで、その耐久性・グリップ力・デザイン性は世界中の靴職人から信頼されています。登山靴からドレスシューズ、スニーカーまで幅広い修理に使われており、修理素材として最高品質のひとつです。

Vibram2668は比較的薄くフラットなデザインのため、スニーカーのシルエットを大きく変えずに仕上げることができます。元のデザインイメージを損なわず、機能性を大幅アップできるのがこのソール選択の理由です。


修理前後の変化:見た目・履き心地・耐久性

今回の修理によって、以下の変化が生まれました。

| 比較項
|—|—|—|
| 落・ロボロ | 全に再生 |
| 履き心地 | 歩行不可 | 軽量・ソフトなクッション |
| 耐久性 | ほぼゼロ | 長期使用可能 |
| デザイン | 劣化で損なわれた状態 | オリジナルに近いシルエット |

T様からは「まだ履けると思っていなかった。また長く使えそうで嬉しい」というお言葉をいただきました。お気一足が戻ってくるのは、職人として本当にやりがいを感じる瞬間です。


プラダスポーツの靴修理で大切にしていること

プラダスポーツのスニーカーは、デザイン性と機能性を高い次元で両立させたラグジュアリースポーツブランドの靴です。修理においても、ブ界観を崩さないことを最優先に考えています。

素材選びひとつをとっても、「なんでも使えるから」ではなく「このデザインに合うか」「元の仕様に近い質感か」を基準に選定します。ハイブランドのスニーカーだからこそ、素材・製法・仕上げのすべてにこだわります。

また、加水分解の修理はソールを交換すれば終わりではありません。劣化の影響がアッパーや内部構造に及んでいないかも確認し、必要であれば合わせて補修対応します。「また何年も履ける靴にする」ことが、私たちのゴールです。


よくある質問

Q. 加水分解がひどくても修理できますか?
A. アッパー(甲革)部分がしっかりしていれば、ソールがどれだけ崩れていても修理できるケースがほとんどです。まずはご相談ください。

Q. 修理後、また加水分解しますか?
A. 今回使用したVibramソールやEVAミッドソールは耐久性の高い素材です。ただし、長期保管する際は乾燥剤を入れ、定期的に風通しの良い場所で保管することをおすすめします。

Q. 修理期間はどのくらいかかりますか?
A. 状態やご依頼状況によりますが、オールソール交換の場合は通常2〜3週間程度をいただいております。お急ぎの場合はご相談ください。

Q. 郵送での依頼は可能ですか?
A. はい、全国からの郵送修理に対応しております。詳しくはお問い合わせページをご確認ください。


修理のご依頼・ご相談はお気軽に

「加水分解してしまったけど、まだ諦めたくない」
「捨てる前に一度見てもらいたい」

そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。写真を送っていただくだけで、修理可否や費用の目安をお伝えすることができます。

プラダスポーツ・プラダ・その他ハイブランドのスニーカー修理も多数実績があります。大切な一足を、また履ける靴へ。お気軽にお問い合わせください。


修理内容:加水分解跡処理 / 側面革縫製補修 / EVAミッドソール交換 / マッケイ縫い / Vibram2668取付

2026.06.22