はじめに
「長年愛用していたJOYAのウォーキングシューズが、突然ソールからボロボロと崩れてきた…」
「まだ履けるのに、もう修理できないのかな…」
そんなお悩みを抱えていらっしゃる方、少なくありません。JOYA(ジョーヤ)はドイツ発祥のウォーキングシューズブランドで、その履き心地の良さと機能性から、多くの方に長く愛用されています。しかし、経年劣化による「加水分解」という現象が、突然あなたの大切なシューズを襲うことがあります。
今回は、東京都のM様よりご依頼いただいた、JOYAウォーキングシューズのソール交換修理の実例を詳しくご紹介します。同じ症状でお困りの方に、修理の可能性とそのプロセスをお伝えします。

症状:ウレタンソールの加水分解
M様のJOYAウォーキングシューズは、ソール部分が加水分解を起こしていました。
加水分解とは?
ウレタン素材は、空気中の湿気や温度変化の影響を受け、時間の経過とともに分子構造が分解されていきます。これが「加水分解」です。特に以下のような症状が現れます。
- ソールがベタベタする
- ソールがボロボロと崩れる
- ソールにひび割れが生じる
- 歩くとソールの一部が欠ける
M様のシューズも、まさにこの状態。このままでは歩行が困難で、転倒のリスクもある危険な状態でした。

なぜJOYAのソールは加水分解しやすいのか?
JOYAのウォーキングシューズは、軽量でクッション性に優れたウレタンソールを採用しています。このウレタン素材は履き心地が良い反面、加水分解を起こしやすいという特性があります。特に以下の条件が重なると、劣化が加速します。
- 長期間履かずに保管している
- 高温多湿の環境で保管している
- 購入から3~5年以上経過している
「あまり履いていなかったのに、久しぶりに出したらソールが崩れていた」というケースは非常に多いです。
修理の難しさとプロの技術
純正ソールでの交換は不可能
JOYAの純正ソールはウレタン素材で作られており、同じ仕様での交換はメーカーでも対応していない場合がほとんどです。そのため、多くの修理店では「修理不可」と判断されてしまいます。
しかし、当店では長年の靴修理の経験と技術を活かし、オリジナルの形状を再現するオーダーメイドのソール製作で対応しています。
今回の修理プロセス
1. 加水分解したウレタンソールの完全除去
まず、劣化したウレタンソールをすべて削り取り、きれいな状態にします。この工程を丁寧に行わないと、新しいソールがしっかりと接着せず、再び同じトラブルが発生する原因になります。

2. EVAスポンジを3層に積層してミッドソールを製作
次に、EVAスポンジを3層に重ねて、オリジナルに近いフォルムを一足ずつ手作業で削り出します。
EVA素材を選んだ理由
- 加水分解しない(ウレタンと違い、経年劣化に強い)
- 軽量でクッション性が高い
- 加工がしやすく、複雑な形状も再現可能
職人が一足一足、オリジナルの曲線や厚みを再現しながら削り出すため、履き心地のバランスを損なわない仕上がりになります。

3. アウトソールにはTOPY社製クロコ柄ソール
アウトソール(地面に接する部分)には、TOPY社製クロコ柄ソールを使用しました。
TOPY社製ソールの特長
- 耐久性が非常に高い
- グリップ力(滑りにくさ)に優れている
- 見た目のバランスが良い
クロコ柄(ワニ革のような凹凸模様)は、スタイリッシュでありながら実用的なグリップ力を発揮します。普段使いでも安心して履ける仕様に仕上げています。

修理後の変化と注意点
履き心地の違い
素材がウレタンからEVAに変わるため、履き心地には多少の違いが生じます。
| 項目 | ウレタン(純正) | EVA(修理後) |
|---|---|---|
| クッション性 | 柔らかめ | やや硬めだが十分な弾力 |
| 耐久性 | 加水分解しやすい | 加水分解しない |
| 軽さ | 軽量 | 同等かやや軽量 |
| 経年変化 | 3~5年で劣化リスク | 長期間安定 |
「純正の履き心地そのまま」とはいきませんが、長く愛用できる安心感を重視した仕様です。多くのお客様から「最初は違和感があったけど、すぐに慣れて快適です」とのお声をいただいています。

修理後のメンテナンス
修理後は以下の点に注意することで、さらに長くお使いいただけます。
- 直射日光や高温多湿を避けて保管する
- 定期的にソールの状態をチェックする
- 汚れたら柔らかい布で拭く
- 長期間履かない場合も、時々履いてソールを動かす
修理が可能な条件と注意点
すべてのJOYAウォーキングシューズが修理可能とは限りません。以下の条件を満たしているか、ご確認ください。
修理可能なケース
- アッパー(甲の部分)が良好な状態
- ソールのみが劣化している
- 縫製部分に大きなダメージがない
修理が難しいケース
- アッパー自体が破れている
- 縫製がほつれて修復困難
- ソールの劣化が内部まで及んでいる
まずはお気軽にご相談ください。写真をお送りいただければ、修理の可否を判断いたします。
まとめ|「もう修理できない」と諦めないで
JOYA(ジョーヤ)のウォーキングシューズは、長年愛用できる優れた製品です。しかし、ウレタンソールの加水分解は避けられない経年劣化の一つ。だからこそ、諦めずに修理の道を探してほしいと思います。
今回のM様のように、適切な技術と素材選びによって、大切なシューズはよみがえります。修理後のシューズは、純正とは一味違う、職人の手仕事によるオンリーワンの一足になります。
「まだ履きたい」「思い出の詰まったシューズを手放したくない」——そんな想いを、私たち靴修理職人が全力でサポートします。
修理依頼・お問い合わせ
JOYA(ジョーヤ)のソール交換、加水分解修理、ウォーキングシューズ修理でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
修理内容(今回の実績)
- JOYA(ジョーヤ)ウォーキングシューズ
- 加水分解したウレタンソールを完全除去
- EVAスポンジ3層でミッドソールを製作
- オリジナルに近い曲線を手作業で再現
- TOPY社製クロコ柄ソールでオールソール交換
対応地域
全国から郵送での修理依頼を受け付けております。
お問い合わせ先
いずみ靴店(岡山県倉敷市)
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あなたの大切なJOYAも、まだまだ現役で活躍できます。まずはお気軽にご相談ください。
