はじめに:ニューバランス1300と加水分解の関係

ニューバランス1300は、1985年のデビュー以来、多くのファンに愛され続けている名作スニーカーです。アッパーの上質なスウェードとメッシュの組み合わせ、そして当時としては画期的だったENCAPミッドソールによる高いクッション性が特徴で、現在でも根強い人気を誇っています。
しかし、そんなニューバランス1300にも、長年履き続けると避けて通れない問題があります。それが「加水分解」です。
多くの方は、ニューバランスの修理と聞くと「ソールの加水分解」や「ソールのすり減り」を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、ソール部分の加水分解は最も多い症状の一つです。しかし、実はシュータン(靴の甲部分にある舌状のパーツ)内部のスポンジも、同じように加水分解を起こすことをご存知でしょうか。
今回は、香川県のM様よりご依頼いただいた、ニューバランス1300のシュータン内部スポンジの加水分解修理について、その症状や修理工程を詳しくご紹介します。
シュータン内部のスポンジが加水分解する原因とは?

シュータン内部のスポンジは、足の甲を保護し、靴ひもによる圧迫を和らげる重要な役割を果たしています。しかし、このスポンジもポリウレタン素材であることが多く、長年の使用や保管環境によって加水分解が進行します。
加水分解とは、ポリウレタン素材が空気中の湿気と反応し、分子構造が崩れて劣化する現象です。特に以下のような環境で進行が早まります。
- 高温多湿の場所での保管
- 長期間履かずに放置している
- 直射日光が当たる場所での保管
- 製造から10年以上経過している
ニューバランス1300は製造から数十年が経過している個体も多く、特にヴィンテージモデルや長期保管されていた個体は、シュータン内部のスポンジが劣化しているケースが少なくありません。
実際に起こる症状と放置した場合のリスク
シュータン内部のスポンジが加水分解を起こすと、以下のような症状が現れます。
主な症状
- シュータンの中から細かなスポンジのカスが出てくる
- シュータンがぺたんこになり、厚みがなくなった
- シュータンを触ると内部がボソボソしている
- 靴ひもを締めると甲に違和感を感じる
- シュータン内部のスポンジが粉状になっている
放置した場合のリスク
このまま履き続けると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- スポンジのカスが靴下や足に付着する:細かなカスが靴の中に広がり、不快感の原因になります
- クッション性の喪失:シュータン本来の保護機能が失われ、靴ひもの圧迫が直接甲に伝わります
- 症状の進行:劣化が進むと、シュータンの表地や裏地自体にもダメージが及ぶことがあります
- 見た目の劣化:シュータンがへたって見た目にも老け込んで見えます
「まだ履けるから」と放置していると、いつの間にか症状が悪化してしまうのです。お気に入りのニューバランス1300を長く履き続けるためには、早めの修理がおすすめです。
今回の修理内容:シュータンスポンジ交換の全工程
それでは、今回M様のニューバランス1300に対して行った修理工程を詳しくご説明します。
修理前の状態確認
まず、シュータン全体の状態を丁寧に確認します。M様のニューバランス1300は、シュータン内部のスポンジがほぼ全体的に加水分解しており、触るとボロボロと崩れる状態でした。表面のスウェードやメッシュ部分には大きなダメージはなく、スポンジ交換のみで対応可能と判断しました。
修理工程

1. シュータンの取り外し
まず、シュータンをアッパー本体から丁寧に取り外します。この作業は、縫い目を傷つけないように細心の注意を払いながら行います。無理に引っ張ると、アッパーの生地を傷めてしまうため、熟練の技術が必要です。
2. 劣化したスポンジの除去
取り外したシュータンから、加水分解した古いスポンジを完全に取り除きます。この際、内部に残ったカスや粉状になった部分も丁寧に掃除し、新しいスポンジがしっかりと密着できる状態に整えます。
3. 新しいスポンジの準備と調整
新しいスポンジをシュータンの形状に合わせてカットします。このとき重要なのが、厚みと密度の調整です。元のスポンジの厚みを測り、同じ厚みのものを用意します。また、足の甲への当たり具合を考慮し、必要に応じて部分的に厚みを変えるなどの調整も行います。
4. スポンジの装着と形の整え

新しいスポンジをシュータン内部に装着し、全体の形を整えます。シワやたるみがないように、またスポンジが偏らないように丁寧に調整します。この作業が仕上がりのクッション性や履き心地に大きく影響します。
5. シュータンの縫い付け
最後に、スポンジを入れたシュータンを元の位置に丁寧に縫い付けます。縫い目は元の状態と変わらないように、同じ糸を使用し、同じピッチで縫製します。これにより、見た目にも自然な仕上がりになります。
修理完了

すべての工程が完了し、シュータンのクッション性が新品同様に戻りました。M様にも「履き心地が全然違う」と大変ご満足いただけました。これでまた安心して、お気に入りのニューバランス1300を履いていただけます。
ニューバランス1300のその他の修理について
ニューバランス1300は、シュータンのスポンジ交換以外にも、以下のような修理に対応しています。
ソールの加水分解修理
ニューバランス1300の最大の弱点とも言えるのが、ミッドソールの加水分解です。ENCAP構造のミッドソールが劣化すると、ソールが崩れたり、粉状になったりします。この場合、ソールの交換や再接着などの修理が可能です。
ソールのすり減り修理
毎日の使用によるソールのすり減りも、よくある症状です。すり減りの程度に応じて、部分補修やソールの張り替えなど、最適な方法をご提案します。
アッパーの補修
スウェードやメッシュ部分の破れやほつれも修理可能です。色合わせや素材の選定など、専門的な技術で美しく補修します。
インソールの交換
長年の使用でへたったインソールも、新しいものに交換することで履き心地が大きく改善します。
修理をご検討中の方へ
「シュータンの中からスポンジのカスが出てくる」
「シュータンがぺたんこになった」
「内部のスポンジがボロボロになっている」
「お気に入りのニューバランスをまだ長く履きたい」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。当店では、お客様の靴の状態を丁寧に確認し、最適な修理方法をご提案いたします。
修理のご依頼は、以下の方法で受け付けております。
- お電話でのご相談
- 店頭へのお持ち込み
- 郵送での修理受付
お気に入りの靴を、これからも長く履き続けていただくために。私たちが全力でサポートいたします。
まとめ
今回は、ニューバランス1300のシュータン内部スポンジの加水分解修理についてご紹介しました。
ニューバランスの修理と聞くと、ソールの加水分解を思い浮かべる方が多いですが、シュータンや靴内部のスポンジも経年劣化することを覚えておいてください。
特に、以下のような症状が見られたら、早めの修理をおすすめします。
- シュータンからカスが出てくる
- シュータンがぺたんこになっている
- 内部のスポンジがボロボロになっている
お気に入りのニューバランス1300を、これからも長く履き続けるために。どんな小さな違和感でも、お気軽にご相談ください。
いずみ靴店
岡山県・倉敷市を拠点に、スニーカーから革靴まで幅広く靴修理を承っております。ニューバランスをはじめとするスニーカーの加水分解修理、ソール交換、シュータン修理など、お気に入りの一足を長く愛用いただくための修理を専門技術でサポートいたします。
#NewBalance #ニューバランス #NewBalance1300 #ニューバランス1300 #NB1300 #ニューバランス修理 #NewBalance修理 #ニューバランス加水分解 #シュータン #シュータン修理 #シュータンスポンジ交換 #スポンジ交換 #加水分解 #加水分解修理 #スニーカー修理 #スニーカー加水分解 #靴修理 #靴修理岡山 #靴修理倉敷 #いずみ靴店
