WORKS修理実績

  • TOP
  • /
  • 修理実績
  • /
  • New Balance 1300 加水分解修理|ウェッジヒールをEVAスポンジで完全復元した事例

New Balance 1300 加水分解修理|ウェッジヒールをEVAスポンジで完全復元した事例

はじめに|「もう履けない」と諦めていませんか?

長年大切にしてきたNew Balance 1300のミッドソールがボロボロと崩れてきた――そんな経験をお持ちの方は少なくありません。

「加水分解したら修理できないのでは?」「ニューバランスのソール交換はどこに頼めばいいの?」という声をよくいただきます。

今回は、愛知県にお住まいのM様からご依頼いただいたNew Balance 1300の加水分解修理の事例をご紹介します。ウェッジヒールの完全製作から本革ヒールカップへの交換まで、修理の工程を詳しく解説します。

同じ症状でお困りの方に、この記事がひとつの解決策になれば幸いです。


New Balance 1300とは|名作スニーカーが抱える「宿命」

New Balance 1300は、1985年に登場したニューバランスを代表するフラッグシップモデルです。アメリカ製(Made in USA)にこだわり続け、高品質なスエードアッパーと独自のウェッジ形状のミッドソールが特徴的な1足。発売から数十年が経過した今も、スニーカーコレクターや愛好家の間で高い人気を誇っています。

しかしこの1300に限らず、1980〜1990年代のスニーカーに使われていたウレタン(PU)素材のミッドソールは、「加水分解」という避けられない劣化現象を引き起こします。


加水分解とは何か|なぜスニーカーは崩れるのか

加水分解とは、素材が空気中の水分と化学反応を起こし、徐々に分解されていく現象です。ウレタン系の素材に多く見られ、以下のような状態が典型的なサインです。

  • ミッドソールがボロボロと砕け落ちる
  • 歩くたびに靴底がはがれる・崩れる
  • ソールがベタベタしてくる
  • ヒール周辺の樹脂パーツにひび割れが生じる

大切にしまっておいた靴ほど加水分解しやすいという点も注意が必要です。湿気にさらされ続けることで、未使用の靴でも数年〜十数年でソールが崩壊します。New Balance 1300のような希少モデルは保管している方も多いため、「箱から出したらボロボロだった」というケースも珍しくありません。


今回の修理依頼|症状の詳細

愛知県のM様からお預かりしたNew Balance 1300は、以下の状態でした。

【症状①】ウェッジヒールの加水分解

ミッドソールのウェッジヒール部分が加水分解により完全に崩壊。歩行時に素材が砕け落ちてしまい、そのままでは着用が困難な状態でした。New Balance 1300は通常のスニーカーとは異なり、ヒールに独特の段差を持つウェッジ形状を採用しているため、単純なソール交換では対応できません。

【症状②】樹脂製ヒールカップの劣化

ヒール外周を囲む樹脂製のヒールカップにも加水分解の初期症状が確認されました。ひび割れと素材の脆化が進んでおり、接着剤での固定では十分な強度を確保できない状況でした。


修理工程|職人による完全復元の手順

STEP 1|加水分解したウェッジヒールの除去

まず、崩壊したウェッジヒールをすべて取り外します。ボロボロと崩れた素材を丁寧に除去しつつ、アッパーや残存パーツを傷めないよう慎重に作業を進めます。この工程を雑に行うと、後の接着強度に影響するため、下地処理も含めて時間をかけて対応します。

STEP 2|EVAスポンジによるウェッジヒールの製作

新しいウェッジヒールの素材として、EVA(エチレン酢酸ビニル)スポンジを採用しました。

EVAスポンジを選ぶ理由は明確です。

  • 耐久性が高く、加水分解しない
  • 適度なクッション性があり、履き心地が良い
  • 加工しやすく、複雑な形状にも対応できる
  • 軽量で靴全体の重量増加を抑えられる

New Balance 1300のウェッジヒールには独特の「段差形状」があります。この形を再現するために、今回はEVAスポンジを2枚重ねにして積層し、厚みと形状を調整しました。

単に素材を貼り付けるだけでなく、左右の高さバランス・ヒールの角度・全体のシルエットを確認しながら削り出し、オリジナルに限りなく近い仕上がりを目指します。

STEP 3|本革によるヒールカップの製作・交換

劣化した樹脂製ヒールカップは、再利用が不可能と判断しました。

代替素材として選んだのは本革です。樹脂素材と比べ、本革には以下のメリットがあります。

  • 経年変化に強く、長期間の使用に耐える
  • 加水分解しない
  • 適切なメンテナンスで耐久性がさらに向上する
  • 見た目の高級感が増す

革をヒールの形状に合わせて裁断・成形し、丁寧に縫製・接着。New Balance 1300のオリジナルデザインを損なわない仕上がりにしました。樹脂パーツから革パーツへの変更は、見た目だけでなく耐久性の面でも大きなアップグレードになります。

STEP 4|最終仕上げと確認

全工程が完了したら、履き心地・左右バランス・接着強度を最終チェックします。歩行時の安定性を確認し、問題がなければ完成です。


修理前後の比較|ビフォーアフター

項目 修理前 修理後
ウェッジヒール素材 ウレタン(加水分解・崩壊) EVAスポンジ(2枚積層)
ヒールカップ素材 樹脂製(劣化・ひび割れ) 本革製(新規製作)
着用可否 不可 可能
耐久性 低下 大幅に向上
シルエット 崩れあり オリジナルに近い形状を再現

よくある質問|ニューバランス加水分解修理について

Q. 加水分解がひどくても修理できますか?

A. 程度によりますが、アッパー(靴の上部)がしっかりしていれば、ソール・ミッドソールを新規製作することで着用可能な状態に戻せることがほとんどです。まずはご相談ください。

Q. 修理後はどのくらい長持ちしますか?

A. EVAスポンジは加水分解しない素材のため、適切に使用・保管いただければ元のウレタン素材と比べてはるかに長持ちします。本革ヒールカップも定期的なケアで耐久性が維持できます。

Q. New Balance 1300以外のモデルも対応していますか?

A. はい。New Balance 990・993・992・576など、他のMade in USAモデルやスニーカー全般の加水分解修理に対応しています。お気軽にご相談ください。

Q. 遠方でも修理をお願いできますか?

A. 全国から宅配修理を承っております。靴をお送りいただき、修理完了後に返送するかたちになります。


まとめ|諦める前に、一度ご相談を

New Balance 1300の加水分解は、確かに深刻な症状です。しかし「もう履けない」と諦める必要はありません。

  • ウェッジヒールのEVAスポンジによる完全製作
  • 本革ヒールカップへの交換
  • オリジナルシルエットの再現

これらの対応により、長年愛用してきた1足を甦らせることができます。希少なモデルだからこそ、修理して長く使い続けることに意味があると、私たちは考えています。

New Balance 1300の加水分解・ソール交換・ミッドソール製作・オールソール修理でお困りの方は、いずみ靴店までお気軽にご相談ください。全国からの宅配修理も対応しております。


いずみ靴店|靴修理専門店
📩 宅配修理全国対応


関連キーワード: ニューバランス1300修理 / New Balance 1300 加水分解 / スニーカー加水分解修理 / ニューバランス ソール交換 / ミッドソール交換 / EVAスポンジ修理 / スニーカーリペア / 宅配靴修理

2026.06.30